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「赤ちゃん…」の一部差替えについて

2018年8月に岩崎書店から発行した「赤ちゃんが頭を打った、どうしよう!? 虐待を疑われないために知っておきたいこと」の第4章の行政処分や司法についての記入部分を以下のように差し替えます. ご迷惑をかけました。
B5サイズで印刷できるはずです。

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# by fujiwaraqol | 2019-04-20 12:00 | 医者としての情報

児童相談所によるネグレクトと虐待

3テーマ仕立てで,2月初めに用意していましたが、2月14日「号外」を追加しました。

.児童相談所」によるネグレクトと虐待

.最初の藤原武男論文を疑え!

 -中村Ⅰ型が通告され一時保護される理由-

  背景(歴史)

  厚労省研究班の活動

  研究成果を発表する藤原武男・論文

  藤原武男・論文批判

  現場で何が起きているか?

  何をすべきか???

.緊急課題「乳幼児の長期面会謝絶問題」

  英国「児童法」に学ぶ

  一石を投じる:児相による虐待の認識
Ⅳ.号外 藤原武男グループは考えない?
  提案:DPC活用法も含めて


Ⅰ.「児童相談所」によるネグレクトと虐待

目黒区の5歳女児・野田市の10歳女児の親による虐待死について、世間は賑やかである。あってはならない,避けられたかもしれない死に同情や義憤や哀悼が寄せられる。

「児童相談所(児相)は何をしているんだ!」と言う声が高まる。一方で、“児童虐待は増えているという数字やグラフを見慣れさせられた人たち”は、児相の人員不足も知っている(あのグラフは単に“相談件数の増加”であるが、増加を是とする勢力もある)。

首相は痛ましい事件に反応し、「児相の任務強化」「増加人員配置の前倒し」を表明して,一人元気だが、事の本質を掴んでいるのだろうか。取り締まるだけの問題ではない。

医療や福祉の現場で働いている人の中には、「二つとも今までのマニュアルを守り、本来の職務に誠実であれば防げたのではないか?」というコメントを発する人もいる。関わった人・責任者の名前も明かされないままだから、「こんな対応で、公務員は勤まるんだ」とうそぶいた人もいる。(こんな対応の人が増えても役には立たない)

虐待を疑えば、いち早く(189)連絡しろと市民に声をかけながら、その結末は知らされない。病院からの通告も、児相が結果を知らすことはない。フィードバックがないから、学習できない。児相の間違いをチェックできる司法の関与も少ない。誰も責任をとらない。

そんな中で、事故なのに虐待と間違えられ、長期の一時保護や施設入所、しかも乳幼児なのに「長期の面会謝絶」に遭っている頭部外傷例が増えていることに危機感を覚え、数年活動をしてきた。児童相談所の施設は満員であるというのに、乳幼児に関しては、一時保護施設に即座に入れられている。特別扱いをいぶかしむ関係者もいる。

そこで児相を窓口とした行政の間違いを告発しているつもりだが、マスコミの記者達は異口同音にこう言うのだった。「児童の虐待死を防ごうというキャンペーン中に,冤罪の話はなじまない。一定程度しようがない」と。彼らもまた、片目しか開いていないのだ。

世間にとっては思いがけないかもしれない今回のような児童虐待死は、“児相のネグレクト”であり、誤った行政処分や面会謝絶は“児相による虐待”である。真逆のように見えて、実は根っこは同じ、「児相の体質」こそが問題である。

「日本の児相、頼りがいはあるのか」、今日のテーマである。

..最初の藤原武男・論文を疑え!  

     ――中村Ⅰ型が通告され一時保護される理由――

背景(歴史)

 脳神経外科医の多くが,「中村Ⅰ型と診断する頭部外傷を負った2歳以下の乳幼児」に対して、この日本では「虐待の可能性がある」と病院から通告され,児童相談所が一時保護する流れが顕著になっている。なぜなのか?

 中村Ⅰ型とは、家庭内の軽微な外傷(つかまり立ちや歩行中の後方への転倒や椅子やソファからの転落など)から発生した急性硬膜下血腫で、体表には打撲以外の所見はない。事故を機転とする。頭蓋内での架橋静脈の切断具合で,症状はごく軽いものから命に関わる重いものまである。1970年から90年頃までは国内脳神経外科医による症例報告は多かったが、診断が早くなり重症例の予後がよくなると、脳神経外科医の間で診断や治療手技に異論はなくなっていた(論文報告までしない)

 一方、1984年に中村Ⅰ型を国際誌に発表した段階で、虐待を完全に否定できていないという国際的な批判にさらされて以後、海外で投稿しても論文や演題が採用されなくなっていた。

厚労省研究班の活動

米国の児童虐待対応に30年遅れで厚労省が本格的に対策を練りだしたのは2000年代初期で、モデルにしたのは米国であり、米国で研修を受けた医師達を頼った。児童虐待の中ではSBS(揺さぶられ症候群)が最も排除される対象だったので、彼らは,直近の米国の基準に合わせて、日本の診断基準を作った。研究目的は「医学所見に基づく、虐待による頭部外傷の診断基準を作成し、その妥当性を検討」することだった。米国では、目撃者のいない頭部外傷は虐待扱いである。虐待による頭部外傷はInflicted Head Injury以下IHI)と記すが、家族による事故状況の供述しかない急性硬膜下血腫は「受傷機転不明」。この基準では、「乳幼児急性硬膜下血腫、低位落下の申告、第三者の目撃なし」である中村Ⅰ型は「受傷機転不明の頭蓋内出血」で、即刻「推定IHIとなり、児相に通告される仕組みとなった。中村Ⅰ型の親子の受難の元は、この論文になる。

藤原武男 奥山眞紀子 松本務 有瀧健太郎 余谷暢之 宮坂実木子 仁科幸子.

2歳未満児の虐待による頭部外傷の診断基準の提案.日児誌 2008:112:704-712

Fujiwara T,Okuyama M, Miyasaka M, Characteristics that distinguish abusive fromnon-abusive head trauma among young children who underwent head computedtomography in Japan. Pediatrics 2008:122: e 841-7

これらは厚生労働科学費補助金(子ども家庭総合研究事業)「児童虐待等の子どもの被害、及び問題行動の予防・介入・ケアに関する研究」(主任研究者:奥山眞紀子)および厚生労働省精神・神経疾患委託費「発達期に発生する外因性脳障害の診断・治療予防のための実証的研究とガイドラインの作成」(主任研究者:田村正徳)による分担研究「Shaken BabySyndrome の発生機序および疫学、発見、診断、介入に関する研究」によってなされた研究である。

研究成果を発表する藤原武男・論文(上記2008年発表)

20022005年に国立成育医療センターを受診し、頭部CTを施行した2歳未満の全児童260名に、2歳未満児のIHIの診断基準」を適用し、虐待例を28名と診断した。結果推定IHI,IHIが疑わしいと診断されかつ児童相談所に通告または情報提供・相談していた症例一致率86.5%推定IHIで児相も虐待と認めたものが83.3%で、自ら妥当な結果と記されていた。

藤原武男・論文批判

適正な疫学的検証に依らない研究がなされ、論文は発表された。項目を挙げ、論じる。

問題点1児童相談所の評価を絶対視している

論文では、論者は診断基準の妥当性を以下に求めたというが、ここに学術論文としての最大の問題がある。

児童相談所による虐待の評価は、その処遇によって判断した。つまり、分離又は在宅フォローをしている場合、児童相談所は虐待があったと評価していると考え、介入がない場合は虐待がなかったと評価していると考えた。

そもそも児相による行政処分(介入判定は、必ずしも明確な虐待の有無とは関係なく、全体的リスクや支援が必要かどうかによっている。しかも通告者の医学的意見に大きく左右されるのが常である。

 分類基準で検討されている各因子医学的に虐待・非虐待の最終判定自体から独立した因子ではない。客観的・公正な定量的判定に基づいていない。論文は基本的な疫学手法に反して記載されている。

病院側が見逃しを恐れて、オーバートリアージしていることも承知して、児相が判定している証拠はない。むしろ病院の判断に準拠の傾向のほうが強いはずだ。しかも、児相の判定をフィードバックするシステムはないままであるから、研究班の研究手法には問題がある。

問題点2:頻発年齢の検討不足

論者は論文に、虐待ケース28例につき、「3月に一度ピークがあり、その79ヶ月でもう一度ピークがある日本における揺さぶられ症候群の特徴は3ヶ月のピークは欧米の報告と同じだが、79ヶ月のピークの理由はまだ分っていない」と投げだし、考察を省いている。

表示のあった虐待27例のうち、6ヶ月未満が10例、624ヶ月が17例であった。別表では、自白は5例で、転落が6例、受傷機転不明17例とあった。

せめて、そう言うなら、受傷機転不明扱いの児の年齢を表示し、中村Ⅰ型と類似していないことを表示すべきだろう。

問題点3:特異性への配慮

 論者の基準が「特異性100%でない」ことは明らかであるので、擬陽性者(冤罪者)への配慮はあってしかるべきである。

 しかし、論文は虐待の見逃しを恐れる立場に立っていて、一時保護後の処遇への配慮はしていない。

中村1型に一定の理解を示すようなポーズは示しているが、

・「日本の急性乳児硬膜下血腫}の存在の議論は決着していない

・親が受傷機転を事故といっても、SBSに特徴的な所見を示す症例がある

2点を明記し後者に力が入っている。

 児童虐待基準で、「中村Ⅰ型及び類似症例は、虐待と扱う」ことにしているので、その解除は困難を極めることになる。児相にその発想もない。

問題点4:脳神経外科医との接点のなさ

 直近に、1980年代の国際的な批判を十分かわしうるような研究手順を踏んだ2006年の西本博・論文がある。25例の中村1型の症例を詳細に学術的に検討している。虐待の否定を数年の追跡時間でもカバーした設定である。読了したあとで「第三者の目撃がない」と否定するのは、新知見を受け入れる素地のないことを表明している。

問題点5:頭部外傷への理解不足

 日本の小児脳神経外科医は、医療費が廉価で、救急搬送システムが整いCTMRI検査に抵抗のない日本で、乳幼児に微少な急性硬膜下血腫が発見される率が高いことを承知している。米国では受診しないような症例に、急性硬膜下血腫が発見されているのが日本であり、「容易に架橋静脈が切れている」という印象を脳神経外科医は持っている。

 また、頭蓋内出血がすべからく命に関わったり、後遺症を持つわけでないのに、研究班は一様に扱い過大に問題視している。そのあたりの理解に乖離がある。

 2014年の記述には「中村Ⅰ型とSBSは、頭部CTを正確に評価することで鑑別できる」との記述(藤原武男. 揺さぶられ症候群(SBS)啓発も含めた虐待防止について.外来小児科 2014:17:42-47)がみられるが、容易でないこともある。 

 なお、欧米で決着していない議論だという前に、日本国内で十分議論すべきではないのか。

現場で何が起きているか?

 通告され、一時保護され、長期に面会謝絶になっている親からの相談が増えている。

開示されたカルテから 、私どもが中村Ⅰ型と診断する例の画像所見を見ると、

くも膜下腔の拡大を、救急研修医が「脳萎縮」と読み間違っているのに、異常有力所見として,そのまま通告された例

最初の軽微な急性硬膜下血腫は問題視されなかったのに、追跡画像で、血腫皮膜からのわずかな出血を小児科医に問題視され、通告された例

とにかく、微小でも出血さえあれば、通告する

手術をしたり、後遺症が重かった例は、施設入所もしく起訴されている

等が見られ、通告する医師の診断レベルにまず問題がある。それを児相が正せるだろうか。さらに、正したとして、フィードバックはされないシステムだ。

何をすべきか?

 多くありすぎるが、

・養育者の意見をまずは聞くべきである(開示されたカルテを読むと、当初から虐待を疑っている記載が続いている)。

中村1型への理解を深める

・病院は「通告してオシマイ」ではなく、意見も伝え、フィードバックを受ける存在であってほしい。

客観的な証拠がなく、虐待の事実が確認できない事案について、国は「児童相談所がどんな対応をすることになっているのか」を、もっと積極的に国民に周知するべきではないのか。

Ⅲ.緊急課題「乳幼児の長期面会謝絶問題」

 リーフレット「引き離される親子」(藤原QOL検収所 2019年 配布中 HPにも展開)で、日本の一時保護や施設入所で、「長期に面会謝絶状態」になっている乳幼児を取り上げ、法的根拠のない処遇と分かった。その改善を訴える活動が始まっている。

英国「児童法」に学ぶ

英国で起きたクリーブランド事件(1987)は、予防介入の遅れではなく、性的虐待に関する積極的な予防介入が問題とされた事件である。多数の児童が僅かな期間のうちに同じクリーブラント州内で親などから性的虐待を受けたとされ、地方当局のソーシャルワーカーに保護された当時は安全命令(日本の一時保護に相当)が発令されると、緊急の親子分離が可能となり、最大28日間、社会福祉部の裁量に委ねられ親には社会福祉部の対応(進捗状況)は一切知らされないまま、ケア命令(親権停止・剥奪)の発令を得るための証拠収集が行われていた。親の不満は聞き入れられず、子どもとの交流も拒否された。その後、家族から子どもを強制的に引き離した小児科医やソーシャルワーカーらに、分離措置が適切だったかなどの批判が向けられた。

そして何よりも「突然親から引き離された子どもへの配慮」が全くされず、司法証拠を収集するための医療行為やソーシャルワークは、たとえ虐待からの予防保護という目的があったとしても、専門家による虐待になりかねないという警告が、報告書でなされた。

「国家が家族にどこまで介入できるか」という問題改めて問うた上で、1989年児童法が成立し親権という言葉親責任に変わり、子どもとの交流にも配慮がなされるようになっている。

一石を投じる:児相による虐待の認識

最後に乳幼児の長期面会謝絶について、乳幼児長期面会謝絶問題については、
それが親の虐待から子を保護する手段であったとしても、家族の共同性(親子の交流)を担保するための慎重な配慮や適正なアセスメントが見失われると、児相による虐待になりかねない」

という認識を共有した社会学研究者に会った。彼から頂いた手紙を示し、児童相談所任務強化ばかりが謳われる世情に一石を投じよう。

いかなる状況たとえば虐待で親子分離されても、親は子の対する親責任を失うことなく、自治体との間で親責任が共有されることになります。したがって、親は何らかの方法で子と交流したり子育てに参加したりすることができるし、自治体はそれを支援する責任があります。もっとも子の安全が担保されるという条件があるため、一時的な規制や制限があるかもしれません。しかしながら、親責任が親にある限り、どのような状況においても、親子の合理的な交流を自治体は考慮し、裁判所がそれを判断しなくてはなりません。これらの諸問題は、緊急保護命令(安全命令の変更)ケア命令の諸規定の中に反映されています。

 子どもを虐待から予防保護するのは、われわれ大人の責任であり、専門家が背負うべき責任の割合は当然大きくなります。しかし、虐待からの予防保護を過剰に意識するあまりに、思想(人権や適正プロセス)を無視してはならないはずです。

(後略 )園田学園女子大学短期大学幼児教育学科・教授 田邉泰美」
 親子の人権が問われていると理解する。
 なお、田邉泰美先生の著書「イギリスの児童虐待防止とソーシャルワーク」(明石書店 2006年)は読みでがある。

号外 藤原武男グループは考えない?

藤原武男・論文はすでに古くなっているかと思っていたら、見事に裏切られた。日本疫学学会の機関誌 JEpidermiol2月号に掲載があったのは、日本の12か月以下のAHT(虐待による頭部外傷)の頻度と年齢分布である。米国の疫学的分類法を使用して、厚労省が総括する2010~2013年のDPC(診断群分類別包括支払制度)から乳幼児期のAHT(虐待による頭部外傷)を分析したところ、10万人に7.2人の分布であった。さらに2008年に藤原武男グループが報告したような2つのピークがあり、山は2か月と8か月だったという。後半のピークは米国、英国、中国には認めらない日本独自の現象だが、理由は不明としていた。

なおAHTの基準はかつてのSBSと同じであるから、中村1型はAHTに属している。藤原グループはいまだに後半のピークが中村1型に起因するという批判を受け付けず、検討することなく放置していることが露呈された次第である。自国の臨床に謙虚でない統計や疫学は有害であり、無用である。いまだに、中村1型なのにAHTと誤診されている人が少なからずいるということである

Yui Yamamoto, Takeo Fujiwara, Yoshihisa Fujino , Shinya Matduda,Kiyohide Fushimi. Incidenceand age distribution of hospitalized presumptive and possible abusive headtrauma of children under 12 months old in Japan. J Epidemiol 2019 Feb 2. Doi:10.2188/jea.JE20180094

 なお、筆頭執筆者名は山本だが、この論文についての連絡先は藤原武男になっているので、藤原グループと呼んでいる。

 DPC開発に関わり、一般社団法人・診断群分類研究支援機構理事でもある松田晋也と伏見清秀も名を連ね、「DPCを駆使して“虐待と虐待の可能性のある入院患者”の全国的な頻度を初めて報告した」ことを大きな売りにしている。該当疾患を求める方法は複雑で再現しがたく、最終的に表示された数値は「これより多くはない」と読むのが正しいと考える。「これだけ多い」という資料には決してしてはならない。

 この論文についての批判は、日本の頭部外傷について日本の脳神経外科の意見を聞いていないことと、米国の疫学的方法を使っていることの2点に尽きる。

 ついでながら、厚労省子ども家庭局担当課に問い合わせたのは昨年秋だが、「身体虐待の数は把握しているが、AHTの数は把握していない」との答えをもらっている。

提案:DPC活用法も含め

 「中村1型を拾い上げる」作業が必要である。

 そこでDPCである。少なくとも、原因は問わず、入院した乳幼児急性硬膜下血腫は全例抽出することができる。月齢や検査項目や合併症や入院日数などで縛りこみ、それ以上は入院病院の協力で個別シートを作って、判定することになる。ある大学に研究を持ち掛けたが、「利害関係がある。学会が取り込むべき内容だ」と逸らされた。

 今回の論文の2つ目のピークに当たる5か月から12か月を対象にすると、検査対象は半分になる。参照すると、多く見積もっても虐待の可能性ありのグループが年間200例、その中の虐待例は40例弱だ。詳細な検討をするに、多すぎる数ではない!







# by fujiwaraqol | 2019-02-23 13:07 | 医者としての情報

国家が人質にした赤ちゃんの人権は? 「面会謝絶」は何のため?誰のため?

国家が人質にした赤ちゃんの人権は?

――「面会謝絶」は何のため? 誰のため?――

                                     藤原一枝

話は相変わらず、乳幼児の頭部外傷に限られた内容です。

1、問題のプロセス

家庭内の事故を虐待と疑われ、児童相談所(以下・児相)から「親子分離」されている乳幼児が少なくない実状を 拙著やリーフレットや「岩崎書店のブログ」で伝えてきました。

そのプロセスは以下の通りです。

①病院から「虐待の疑い(可能性)がある」と通告された児相は、まず「児の安全のために、親子分離が必要」と子どもを連れ去ります。

[メモ]親子分離の期間について、メドは教えてもらえず、現状3週間から上限は2か月です。長すぎませんか?

②疑いをかけられた側は、曖昧模糊としたまま児相のプログラム(再発防止など)の履修途中(その時期も児相に監視・観察されている)に、子どもを引き取れるシステムになっています。「関与終了」通知が来るまで、監視は続きます。

[メモ]児相の職務としては「結果が判明しなかったとしても、児相提供の家族再統合プログラムを半年以上受けてもらう」というスタンスです。また、この一連の判定結果は通告した病院に伝えられることもありません。

③子どもは戻ってくるのですが、「親の事故当時の事情説明を信じない前提」と「見逃して殺傷されたごくわずかな症例を恐れるあまりの児相の慎重さ」が、このプロセスの根拠です。冤罪は我慢すべきなのでしょうか? どの段階で、誰に怒りをぶつければいいのでしょうか?

2、「親子分離」と「面会謝絶」はイコールではない

「親子分離」はもっぱら「子どもの安全」のためと言われています。

ただ数年前まで、児の収容施設(病院や乳児院など)を明らかにし、数時間から終日の面会を許可していた時代や場所はあったのです。児相に余裕があったのでしょうか。

最近は、親子分離は面会謝絶と同義の扱いです。

児相が子どもを連れ出す方法は、子どもの入院中に医師が親に「一時保護」を告げる時間を使って行われることが多く、これは有無を言わせない、“確実な捕獲”です。ゆえに修羅場すらありません。

そして、これを行政処分と言います。

“捕獲者”に「弁護士」は付けられず、付けても行政処分を変えることはできません。ひたすら児相のプログラムが進行します。

不服申し立ては、所長や設置行政機関の長に対してできますが、時間的な制約もあり、使いこなせない仕組みです(浅学にして、有効だった事例を知りません)。

3、面会謝絶の功罪

 もちろん、この面会謝絶の功罪は報告されています。ネグレクトや虐待に遭っていた子どもなら、表情や体格もよくなるでしょうが……。

 普通には、親との愛着形成期であり、赤ちゃん1人ひとりが親との個別対応で、発育発達していく時期です。突然その関係が途絶えるのです。生活パターンは乱れ、精神的にも混乱し、怒りや不安を感じます。具体的には啼泣が続く、食事拒否、睡眠障害があり、病的症状として発熱や嘔吐、便秘や下痢も観察されます。集団生活なので、感染しやすく、環境の影響ももろに受けます。

 この時期が長くなると精神・身体の発育発達に異常をきたさないとは言えません。害が多いと断言できます。

 親のほうは、子どもに会えないと、「どうしているか」「忘れないか」などと考え、疲弊していきます。せめて数時間でも面会できれば我慢できるというものです。

4.乳児院のなかで起きた事故        

どこにいても乳幼児は転んで、たんこぶを作ったり、あざができたりします。万一、そういうことがあれば、児相は親に報告すべきでしょう。

でも、現実はこうです。

ある乳児院で、つかまり立ちから転び、後頭部を打って意識を失った子どもが、入所のきっかけとなった元の病院に緊急搬送されたことがありました。幸い経過はよく、CTもとらず戻ってきたのですが、児相はこの事態を親に伝えたのは大分だってからです。この場合こそ、「緊急事態である」と運用に幅を持たせて、面会させてもいいのではないでしょうか。悔しいことに、謝罪も速やかになされませんでした。

また、児相は夜間休日の電話応答はしません。親の気持ちを踏みにじっているとしか言いようがありません。

5、乳児院の在り方

 生活の場であるから、曜日に関わらず、人員配置が一定であることが望まれます。

 その一方で、人を預かっている責任からは、監視(防犯)カメラも必要かもしれません。

 発熱や下痢なども、児の状況によっては、夜間休日の電話対応(報告)などにも配慮が欲しいものです。

6、面会謝絶は何のため?

 乳幼児に危害を加える人物を排除する以外、面会謝絶は不要でしょう。児相に裁量はないのでしょうか。

 もし、「収容施設の実態を見せたくない」「面会は監視も含め、神経を使い、手間がかかり、人手と経費がかかる」となると、「子どもを安全に保護しているか?」と問い直すことになります。

 ところが、最近ビックリする理由を見つけました。

手術をしたので、院内では付き添っていたのに、退院間近に、通告・一時保護で面会謝絶となりました。ショックを受け呆然としている母親に、5日目に、児福法2713号の措置(いわゆる3号措置)についての「承諾書」が示されたのです。3号措置は、一時保護をした後、「保護者のもとに直ちに子どもを返すのが適当でないと判断される場合に」長期分離を図るためとられる措置です。「緊急手術したので、病状は重かった」は正しいのですが、「緊急手術するほど重かったので、虐待の可能性が高い」は全く成り立たない考えです。早手回し過ぎる処置です。一時保護中に守られている親権を早々放棄して、「児相所長」の思惑通りにことを進行させる手段です。手間や面倒が省けて、児相にはラクなことでしょう。

そして、「承諾書を出そうが出すまいが、自宅に子どもが戻る日は同じでしょう」の後に、「早く面会したいなら、この承諾書にサインを」と言われたのです。これって、強要でしょう。

シロの可能性を否定して、児相は構えているのです。そして、万一シロでも、グレーやクロと同じ児相のプログラムを受けさせ、子どもを家に帰し、半年以上監視し観察するというわけです。

児相が世間から辛らつな批判を受けていることも想像に難くありません。しかし、だからと言って人間不信極まり、なんだか無駄な仕事を業務として行っているような気もします。

虐待を予防するという児相が、「面会許可」を餌に、自ら行っている(親への)「虐待」に気付いてほしいと思います。

7、赤ちゃんの人権

 たまたま頭にケガをし、その症状がいかなるもので、どんな処遇を受けようと、赤ちゃんに必要な愛情やケアなどを受けられるように見守ってあげたいと思うのが、普通の感覚ではないだろうか。

 赤ちゃんを取り巻く人たちが、今一度、この非業なる仕打ちともいうべき赤ちゃんの人権蹂躙について考えてもらいたいと切に願うのです。


# by fujiwaraqol | 2018-12-26 18:23 | 医者としての情報

キョウコちゃんの英語版、出ました!

2014年発行の『ちょうかいちょうのキョウコちゃん』は、難産で、生れてからも冬眠が大好きでした。

 しかし、「スーパーヘルシー キョウコちゃん体操」ができ、DVDもでき、20169月には、画家の岩永 泉さんの原画展を、お茶の水で開きました。

 201617年は、保育園や幼稚園や学校にも出前に出かけました。

 



 この
12月には、「Super-healthy Kyoko with fine colon」という英語版が出版されましたので、お知らせします。翻訳は、小学校からの友人の翻訳家・栗田桂子さんです。彼女が私の本の翻訳をして下さった3冊目です。

 ユーチューブでは、「正しい指圧」「子どもの便秘」と入れていただくと、藤原が モデルのゼンコー君に指圧している画像が流れます。半年で 1万回を越える人気です。
 

飜訳された本を読むゼンコー君です。皆様もどうぞ。






# by fujiwaraqol | 2017-12-28 15:56 | 藤原QOLからのお知らせ


藤原QOL研究所からのお知らせ


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